工事は直ちに中止を

2020年3月

東京都内の都市計画道路
“最高裁の判例も憲法違反”

(1)
いま杉並区内では、都市計画道路問題が焦点となっています。
西荻窪の132号線成田東の133号線、高円寺の227号線。いずれも個性的な商店街や静かな住宅街が破壊されてしまうため、地元の人たちは強く反対しています。

この3路線を含む東京都内の都市計画道路の計画が決まったのは、73年前の昭和22年のことです。しかも決定の根拠となった法律は、101年前の大正8年に制定された旧都市計画法(旧法)でした。

戦後、新憲法が成立し、昭和43年には新しい都市計画法(新法)もできました。
他県ではとっくにこの新法に切り替えたのに、都の都市計画道路はいまだに100年以上も前の旧法に基づき事業を進めているのです。信じられない話ですが、これが事実です。

(2)
新法の16条では、自治体が計画案を作成するときは、事前に公聴会などを開き、住民の意見を計画に反映させる施策を講じるように、と定めています。
しかし旧法にはこうした規定が一切ありません。都はこれをいいことに、計画決定前の住民への説明を省略し、住民の意見を聴く公聴会も開いていません。
ただ一方的に事業を進め、道路用地の取得を続けてきたのです。

(3)
これは明白な憲法違反です」と熊本一規・明治学院大学名誉教授は指摘しています。
具体的な内容は以下の通りです

①土地や商店などの財産所有者に、事前に告知と聴聞の機会を与えず、一方的に取得のための行政手続きを進めるのは、適正手続きの保障を定めた憲法31条に違反する。

②その結果、住民や商店主らは自分たちの財産を侵害されてしまうのだから、財産権の保障を定めた憲法29条にも違反する

③昭和37年11月28日、最高裁判所の大法廷判決も同様の判断を下している。

(4)
この最高裁大法廷の判決は、住民に告知も聴聞もせず、一方的に行政手続きを進めるのは憲法違反、との判断を示した重要な判例です。

都はこの判決に従い、憲法違反の都市計画道路事業を直ちに中止し、新法に切り替えるべきです。

杉並区も都の工事を分担しているのですから、最高裁判決は無視できません。
まず新年度に予定している西荻窪132号線の拡張工事は、憲法違反であり直ちに中止すべきです。
さらに新法に従い、公聴会の開催など住民の意見を計画道路に反映させる施策を、区の条例で定めることも必要です。

都も区も、憲法違反の行政手続きをこれ以上続け、住民の財産を侵害することは許されません。

(淳)