杉並区は住民の声を聴いてください     住民との話し合いにも応じてください

「西荻窪の道路拡張を考える会」の住民の訴え
2021.11.10


私は西荻窪駅の北口から青梅街道に抜ける、通称北銀座通りと呼ばれる沿道の住民です。
正式には都市計画道路132号線という名称のこの道路は、青梅街道から駅までを幅11㍍から16㍍に、駅から神明通り入り口までは11㍍から20㍍に拡張されようとしています。
私はその沿道に住み、家族で商売をして暮らしてきました。

杉並区から突然道路拡張の話を聞かされたのは、2018年の秋、わずか3年前のことです。
「1年半後に東京都の許可を取って道路を拡張するので建物を壊すことになった」と申し渡されました。

この計画は昭和22年に生まれた戦後の復興計画です。それが70年以上たって突然持ち上がってきたのです。
当時は空き地だった沿道には、親子何代にもわたって商売を続けてきた人や、新たに店を構えた若い人、住宅などがびっしり並んでいます。

すぐに反対運動を起こし、この計画について調べていくうちに、驚くべき事実が見つかりました。
この計画は、昭和22年に立案された時も、昭和41年に拡張幅の計画が3㍍から5㍍に広げられた時も、平成28年に工事優先道路と定められた時も、土地の持ち主や店子、関連する住民の意見を聴くような話し合いは全くなく、権利者の意見を出す機会も与えられず、勝手に決められた計画なのです。

日本国憲法では第29条で「個人の財産権の保障」、第31条では「そのための適正手続きの保障」も定めています。
計画決定前に住民への事前の告知もない、住民からの意見聴取もない、公聴会や審議会の手続きもしていないこの計画は、明らかに憲法にも違反しています。

私たちは道路拡張も含めた街づくりについて「住民と行政と専門家との本気の話し合い」を求めて、抗議活動を続けてきました。

区議会にも3度の陳情を出しましたが、審議もされず握り潰されました。
田中良区長にも何度も手紙を書き、区長室まで届けたこともあります。
返事は全てノーで、計画はどんどん進めていくというものでした。

そして2020年3月、コロナ禍が本格化し第一次緊急事態宣言が出るその1週間前、都知事の工事認可が出たと区から連絡がありました。

普通に考えれば、経済的にも困難が予想される状況で、認可を出すのは信じられないことです。この道路拡張工事にかかる費用は300億円を超えると言われています。

70年も前のこのゾンビ計画は、成田東の住宅街を分断する133号線、高円寺の純情商店街を拡張する227号線など区内に10路線もあり、大勢の住民が苦しんでいます。

つい先日、衆議院選挙がありました。当選した吉田はるみさんは、沿道住民の話をよく聴いて下さいました。

この区役所前の集会でも「街壊しは止めよう」「住民の声を聴こう」と声を上げてくれました。彼女の圧倒的な勝利は、長年にわたる住民に寄り添う姿勢、その行動から生まれたものです。

杉並区民はこの10年間、誰が何をやってきたか、また何をやってこなかったのか、よくわかっています。

「広報すぎなみ」の10月29日臨時号には、区の基本構想が掲載されました。

私たち沿道住民は案が出た直後の区の話し合いの会にも参加し、「駅前開発、道路拡張を向こう10年間で推進していく」との文言に対し、「住民合意は全く得られていないので構想に入れてはいけない」と強く反対しました。しかし区からは「すでに委員会で話し合われたことだから」と申し渡されました。

住民が提出したパブリックコメントにも、多くの住民が反対意見を出しましたが、広報にはそれについて一言も触れていません。

そして今回出た基本構想の決定版には、「主要事業」の項目に「駅周辺まちづくりの推進」「都市計画道路の整備・推進」をはっきり打ち出しています。

これは駅前再開発を進め、中高層ビルを建て、道路も拡張し、私たちの訴えに耳を傾けず、住民の生活を、人生を壊して行く、ということです。

今の生活は私たち住民が汗水流して築いてきたものです。
この地が好きで、良くしたいという思いをみんなが持っています。
こうした住民の意見や願いを無視する杉並区政には賛成できません。

皆さま、どうか仲間が配っているチラシを受け取って、知って下さい、考えて下さい。いま現実に進んでいるさまざまな計画や工事の中身を。

そして杉並区政が、住民の声をしっかり聴き、話し合い、住民の意見を施策に生かす、開かれた区政に変わることを心から望んでいます。


2021年11月10日の「区役所前街宣」での西荻住民の訴えです。
昨年初めのコロナ禍直前には、他地域住民の協力も得て問題を提起するチラシ1万枚をポスティングしました。