イクジイの区議会傍聴記

保健福祉委員会を傍聴したが、委員会のTV中継も録画の無い理由は、区民に都合の悪い、お粗末な内容の一問一答を知られたくないからなのだろう。理事者側の答弁の多くがポイントを外れており聞くに堪えない。
その状況にイライラして区長が助け舟を出すが、これがまた意味不明な事例を挙げて冗長になるものだから時間だけが経過する。議員も理事者も慣れているかもしれないが、時間を割いて来ている傍聴者は堪ったものではない。
挙句の果てには、与党女性議員が区長へ反対意見を述べたら、机をバーンと叩き、恫喝。それでいて区長発言中の野党議員のやじには怒り出し、委員長(女性)に「お互いさまでは」とたしなめられる始末。まるでパワハラだ。

杉並区政の二元代表制は壊れている。国政ではリベラル側のはずの会派までもが区長派与党で、お追従的な発言に終始しているのだから仕方がないということか。区民不在の区政を何とかしなければ、、、。投票率が低いはずだ。
肝心の保育については、待機児童解消を最重視する区長の大方針は多とするものの、現場の進め方があまりに粗雑で、担当部課長までが区長の姿勢を頼りに、丁寧な同意形成への努力を怠っている。
強引なやり方で公園を用地にあてたものの、とにかく待機児童解消に目途を立て整備率を23区中20位から12位にしたのだから、これまで約20年控えていた保育料値上げを受けてくれてもよいだろうとの姿勢が透けて見える。
M議員の「保育は子供に対する福祉であり、保育料はサービス対価ではない」との言に賛意。「応益応能」との言葉が飛び交ったが、大人の責務として子どもの権利に配慮した、子ども中心の保育の理念に立ち戻ろうではないか。
区長や議員にとっては面白くない話かもしれないが、お隣の世田谷はその理念を最重視しながら、質を落とさない、民意を汲み取った保育行政を進めているようだ。山田区政にも遠因はあるが、田中区政前半の無作為が現在の強権発動を生んでいないか。

もう一度、日本のナイチンゲール・瓜生岩子の精神を継承し阿ヶ谷保育園を設立した三輪政太郎に端を発した杉並の保育の歴史を学び直したいものだ。
「子どもは宝」なのだから、保育での財政負担軽減を狙うことなく、他の大きな無駄遣いを抑えたいものだ。(終)(2017.11.24)