小さな個性的なお店が魅力の西荻窪でいま、道路拡張計画が急浮上しています。
区側が突然測量を始め、説明会も一方的なため、住民たちは怒っています。
「西荻窪の街と文化を壊すのか」「私たちの日々の暮らしを奪うのか」と。
住民たちは「西荻窪の道路拡張を考える会」をつくり、区に計画の見直しを求めています。
計画区域でお店を営んでいる住民の1人が、これまでの経過をまとめた文章を寄せてくれました。
どうぞお読みくださいますよう。
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「西荻窪の道路拡張を考える会」です。
私たちは132号線沿線に住む住民です。昨年9月に会を結成致しました。
きっかけは下記の区の計画によるものです。
「補助132号線は、東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)で優先整備路線に選定された路線です。
http://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/machi/toshikeikaku/1033914.html
平成28年3月30日に策定され、今後、この整備方針に基づき、都市計画道路の整備を着実に進めます。」(区ホームページ抜粋)
(工事は、西荻窪駅南側神明通り入り口〜青梅街道までの1,070mの道路11mを16mに拡張すること、南口は20mに拡幅します。)」
この道路は、以下の経過をたどっております。
「昭和22年11月26日 都市計画決定
昭和41年7月30日 都市計画変更
平成19年 地形測量の実施
平成21〜28年 路線測量の実施整備方針検討、修正測量など」
(区ホームページ抜粋)
以上のできごとは住民には関知しない形で進んでまいりました。
戦後すぐに計画されてから70年以上たち、住宅環境も大きく変わっております。
大きく告知されることもなかったので、住民たちは、一応計画道路とはなっておりますが、多くの建物を取り壊すようなこんな無茶な計画は実施されないだろう、実施するとしても、長い年数の話し合いが行われるだろうと考えておりました。
ところが、平成28年度から区は道路を3分割し、平成28年に1区、29年に2区、30年に3区と用地測量を実施しました。
私は3区の住民です。
昨年7月に区は説明会を開いたといいますが、私の手元には通知の書留が届きませんでした。隣り合っている6軒のうち、届いたのは2軒のみでした。
届かなかったうちの1軒が土木課に問い合わせたところ、登記簿の住所に送ったが宛先不明で送り返されたのでそのままにしておいた、という返事でした。
その方も私も、もう20年近く西荻窪の地に住んでいます。
結局説明会は地権者314人中、45名のみの参加で開催されたとのことでしたが、すでに決定済のことのように説明され、その場では補償問題などの質問もできない雰囲気だったということでした。
通知が届かなかった我が家は、昨年9月の突然の測量に驚いて、作業にきた若者たちに質問しましたが、彼らもわからないということで、わたしたちもよくわからないまま、計画道路だからそういうこともあるだろうと解釈して、測量を受けました。
その後、進行に疑問をもった近隣の住民10人が集まって、同じ月に区から土木課のスタッフの方たち5人を呼んで、事情を聴きました。
その時初めて、今後の日程、補償などの話を聞いてびっくりした次第です。
「平成30年 用地測量を実施、終了。
令和元年度 事業認可申請(予定)
令和2年度以降(予定) 事業認可取得、物件調査、補償内容の説明と協議、工事着手を経て完成
(注)事業区間については、工事の施工性・安全性及び緊急輸送道路の早期整備を考慮して、青梅街道側から進めていく計画です」(区のホームページ)
この青梅街道からというのは、私たち3区のことを指しています。
知ったのが、昨年9月なので、1年半後にはこの地を出ていかなければならないということです。
近隣6軒の内、4軒は商売をしながら住居も構えています。
区長にすぐに陳情の手紙を書いたのですが、返答は「実行する」という内容でした。
会を結成し、周囲の住民に歩き回って聞いてみると、店子さん、借家人のほとんどはこの事実を知らないままでした。
かなりの内装費を出して引っ越してきたばかりの店子さんもいて驚いていました。
1区までの地権者にも反対の方も多く、私たちはその後、区の土木課の人たちを5〜7名呼んで、最初の9月、11月、1月と3度集会を開きました。
今年1月30日に開いた集会には、各党派(自民、公明、民主その他)の議員10名にも来て頂き、地域の住民60名近くが集まりました。
会終了近くで議員に感想を伺ったところ、9名の議員が「地域住民の合意がとれていないので、認可を急がない方がいい」、残り1名は「補償で相談に乗っていく」という意見でした。
その後2月議会に向けて陳情書を出したのですが、そこでは選挙前だからという理由で審議されないことになりました。
ところが、3月に開催されたパネル展示で掲示されたのは、最初に工事をする区間が青梅街道よりの3区だけとされていたのに、その区間をはるかに超え、2区の途中くらいまで伸びた図面でした。
私たちの「最初に示された工事区間と違う」という抗議には、どの職員も「あれは予定だから」の一点張りで対応するのみです。
令和以降のすべてのスケジュールにも「予定」があり、戦々恐々としています。
4月の区議選期間中は、候補者全てに公開質問状を出し、27名の議員さんから反対、もしくは住民の合意を得るべきとのご返答を頂きました。
現在、私たちは今年度最初の議会に向けて再度陳情書を出し、全ての議員にメール、手紙などで議論のお願いをしております。
5月30日には本会議初日でもあるので、各党派の部屋へ挨拶と陳情に出向きました。
6月3日、そして7日の委員会の傍聴にも出かける予定です。
私たちの陳情の主旨は
①東京都への事業認可申請を今年度中に行わないこと
②西荻窪のまちづくり計画の中で議論を深めて住民合意を得ること
の2点です。
区長は、区長選の時に、ご自身のツィッターで、優先整備路線に選定された227号線について、「住民合意がない現状で今すぐ事業化の計画はありません。」とおっしゃっています。
(現在もネットでUP中)
道路拡張計画は大きく街を変貌させ、地域に住む人々から住まいや仕事を奪い、根底からその人生を変えてしまう計画です。
どんな街づくりをしたいのか、なぜ拡張する必要があるのかを、住民と一緒に、深く考えて下さることを切望しております。
西荻窪の道路拡張を考える会
https://blog.goo.ne.jp/ndk