高嶋伸欣 挨拶

皆さま初めまして、この度皆さまのご厚意でコーナーの一つからアピールをさせて頂けることになりました高嶋伸欣(たかしまのぶよし)です。
 大学と大学院では地理学を専攻していましたが、卒業後は社会科教育を専門として教科書問題で教育学、教材研究で日本と東南アジアの近現代史調査に関わってきています。
 日本軍が米英と開戦してからほぼ半年後の1942年4月に杉並区松庵町(当時は西高井戸)で、男3人兄弟の末っ子として生まれました。日本軍占領下のアジアは食糧難難などで、同時期の乳幼児の多くが大人になれませんでしたが、私は幸い無事でした。高校までは自宅から通える学校で、戦後の民主教育の情熱に燃えた先生たちに育てられ、大学の学部と院を終えた後に東京教育大(現・筑波大)付属高校で28年間、社会科を担当した後、琉球大学で教員養成に当たり、2008年に定年退官。
 7年前に誕生の地、杉並に戻りましたが、諸問題が次々と起きていることに驚いています。中でも主権者育成に深く関わる社会科教科書の採択や教科書の内容についての、教育委員会の無責任さはあまりにも度が過ぎ、怒りを覚えました。
 そうした事態を改善するためにに起こした行動の一つが、杉並区教育委員会を被告とする「請願権」裁判です(2017年10月提訴)。同教委の会議規則では、教委への請願には教育委員の紹介が必要であると定められていたため、私が委員の紹介無しに提出した「請願書」は法的裏付けのない「いわゆる陳情」という正体不明の取り扱いにされてしまいました。それは請願権を基本的人権の一つとして保障している憲法16条と、法律以外では請願権の行使に条件を付けられないとしている請願法(憲法と同日に施行)に違反しているというのが私(原告)の主張です。
 これに対して、杉並区教育委員会は提訴後に、上記の違法な会議規則は削除しましたが、法廷ではかたくなに非を認めず、詭弁を次々と展開しています。法廷では教育委員会の担当者が対応するのではなく、被告側の代理人を立てて抵抗しています。そうした代理人に関する公費の支出も監査請求の対象にしたくなる程に、被告(教委)側の反論・抵抗は無意味で時間と委託経費の無駄遣いとなっている状況です。
 詳しくは、このコーナーにあります原告の「意見書」(2017.12.18付)をご覧ください。
 ちなみに、ここでは杉並区教育委員会を被告としていますが、「請願権」については憲法施行後70年間、社会全体でその意味が正しく認識されず、歪められている状況にあります。法律書や社会科教科書で正確に解説しているものもわずかです。そうした不都合な全般的状況を改善する動きを杉並から生み出したい、という思いもこの訴訟には込めています。
 日常では目立たない事柄ですが、社会の基礎を確固としたものとするために多くの皆さんが関心を寄せて下さることを願っています。
                              2018.10.31

「高嶋伸欣コーナー」は、ここをクリック。